『ヒーロー戦記エオレンジャー』第28話「停滞~Suspend~その7」『ヒーロー戦記エオレンジャー』第30話「停滞~Suspend~その9」

2020年01月12日

『ヒーロー戦記エオレンジャー』第29話「停滞~Suspend~その8」

━勢いに任せて書いております…
20190809-01

センジマン!

任せすぎてちょっと説明足りなくね?って所ありそうですね@@


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※この物語の世界設定等はオンラインゲーム「Final Fantasy XIV」に準ずる部分が多く含まれます。ただ…ファンタジーな設定は余り出てこないかもしれませんのでご注意下さい。なるべく体験談や事実を元にして行こうと思いますが人物名称等は実在の物とは違う物もあり、時系列も前後したり完全にフィクションの部分も多々あります。


『ヒーロー戦記エオレンジャー』第29話「停滞~Suspend~その8」



説明しよう!『ヒーロー戦記エオレンジャー』とはオンラインゲームファイナルファンタジーXIVの中で良い子のみんなの笑顔を守る為に悪の存在「ギース」と戦う…光の戦士達の事である!

~主題歌「ヒーロー戦記エオレンジャー!」ナレーションより抜粋




「いくぞ必殺…センジン…グー!!」


かざした手を握るとエーテルが放出され大きなげんこつ状の手の形になりギースの上から頭へゴチン!とおしおきをした。


『痛いヨ…お父さん…痛い…ごめんごめん…でも…お腹空いたの…タベタイ…』


・・・


センジマンはギースにどこか懐かしさを感じていた。確かにしばらくギースと対峙する事はなかったがその懐かしさとは違う。不思議と仲間との思い出がよぎる。


(そういやユーさんと初めて会った時腹減ってたな…ってかギースの空腹感がユーさんの思い出とリンクしてあんなに遠くからギースに気付いた…?!いやいやいや…。)


少しその事に気を取られてしまったスキにギースがクリスタルに闇を伸ばす。ブルーが「チッ」と舌打ちして偏光で闇を振り払いギースを牽制、センジマンは…


「う…ッマズ…い…これ一日2回以上なると明日に響く…ダメだー意識がー…。」


ギースとブルーの力のぶつかり合いのあおりを受けたせいかまた『超える力』によって意識が誰かの記憶に飲み込まれていってしまった。


・・・


『…おめでとう。良かったじゃないの、うん。幸せになってね…。』


誰かの記憶を見始めたセンジマンは先程まで居た状況と余りにも違う雰囲気に違和感を感じた。


(あれ…すげぇいい記憶っぽいぞ。真っ白なドレス、エターナルバンドの式場…幸せそうで良いなぁ。って普通この状況下で超える力が観せるのってギースがらみの記憶…いやいやここからバッドエンドって新郎のライバルがベンチで急に刺されちゃう…ダメだそれはダメだ!!)


しかし観せられているだけなのでセンジマンにはふわふわと漂う事しか出来ない…。無慈悲にも視界が暗転し次の記憶へと移る。


「そっか…忙しいならいいの、うん。気にしないで。」


寂しそうに耳を項垂れながらも相手を気遣う声。そして通信を切った後ひとりで居るには広すぎる屋敷の中で窓の外を見つめる細い瞳孔…雰囲気の違いこそあれセンジマンは彼女を知っていた。


(あ…ユーさん。今は酒場に戻っているハズなのに…何故…?)


それから次々とユーの記憶の断面がセンジマンの意識に飛び込んできた。友と呼べる者を求めて様々な場所に赴き交流を重ねる場面、友と呼べると思った相手が他にもっと強い絆を持つ仲間がいると知った時の寂しさをひた隠しにする場面…その度に増えていく思い出を切り取った絵が…後に彼女の屋敷の画廊になって行く。どれもセンジマンが実際に会って知っているユーとは似ているが違う、これは「元の世界」でのユーの記憶だった。


(そうかギースと意識が噛み合っちゃったのは「こっち」の気持ちか…。無理に修行してるから心配してたけど…おじさんたちがこの思い出の1枚にならないように頑張ってくれてたんだな…。)


ユーは誰にも言わないしこれからも決して言わないだろう寂しさを抱えていた。そっと心の中にしまい込んだその気持が自分でも気づかない内に心に広がって未知なる場所…他の平行世界に助けを求めていたのだ。そして偶然にもその中で寂しさと空腹感…。記憶も胃の中も空っぽの真っ白なユーにエオレンジャーが遭遇した。いや、きっとそれは偶然ではなかったのだろう。


「…誰も悪くない。ただ私がみんなに選ばれなかっただけ。でも…やっぱりちょっと寂しいな。」


最後の場面は、沢山の人が誰かの家に集まって誰かを祝っている場面だった。


・・・


「って急に戻ってきちゃったけどおじさん大丈夫なのか?!」


頭がふらつき動いていないのに脳だけ体からズレて抜け出しそうになる感覚に襲われながらセンジマンの意識が戻った。ギースとブルーは…またも光と闇をぶつけ合った後向かい合いの睨み合いを続けていた。


「おっさん。超える力すごいんだな…。相棒の解析じゃおっさんのバリアの精度次第でもうちょっと制御出来るらしいぞ。まぁやってやるつもりは無いらしいがな!」


ブルーが吐き捨てるとギースもセンジマンの意識が戻った事に気づき少し申し訳無さそうにしつつも話しかけてきた。


『タベタイ…このアオイヒト…いっしょにタベテいい…?あと…とうさんのトモダチも…おいしそ…』


ユーの意識を観た事に気づかれていた?!と焦る気持ちを悟られないように気を付けつつセンジマンはギースへと再度向かい合い人差し指でギースを指しながら叱った。


「その何でもかんでも食べたり飲み込もうとするの、ダメだぞ。そういう所だぞギース。」


センジマンはギースへ邪気退散をする為に手をかざそうとしたその瞬間、間に割って入る様に空間の裂け目が現れた。


「失礼するぞ…お前…?いや…別人…か。私の可愛い息子が手こずっている様子だったので直々に着てみれば…なんとも不思議な光景ではないか…いや、まさ…か。」


黒いローブの隙間から白い短髪を覗かせ男が裂け目から出てきてそう言った。センジマンを見る片目を何度も大きく見開いたり細めたり…もう片方の機械仕掛けの義眼も何度も収縮させながらセンジマンとギースの『力』を観測していた。


「え?誰?!息子さん…ブルーのお父さん!いやぁ息子さんには今まさに絶賛お世話になっております中でお世話になっております!…って。そういう感じじゃなさそうですね?」


センジマンは半分挨拶をしかけてから何か怪しいと思い拳を握り直した。割って出てきた男は一瞬センジマンを誰かと勘違いしたらしく少し驚きながらもギースとブルー、そして偏闇属性クリスタルとセンジマンの間に立ちはだかった。


「私は…アルジ。このサス…ブルーの親だ。息子がご迷惑をお掛けした様で。ついでにこの黒いのも…恐らく私の息子…の様な物です。ご迷惑になる前に連れて帰りましょう。」


ギースの事を「息子の様な物」と言い放ったアルジの言葉にセンジマンは違和感が拭えなかった。


「え?いやいやいや。それはちょっとオカシイアンドあやしみですよ?言葉さえ丁寧なら誤魔化せると思ってたら大間違いですよ?状況を見るに…ブルーさんの親と言うのはあながち間違いはなさそうですが…ギースの親ってのはちょっと頂けませんなぁ。」


センジマンは「それがなきゃ信じてたんだけど」と続けた。


「申し訳ないんですが、ギースの素性…というか発生した経緯はおじさんなりに分かっているつもりです。人々の不安な心の欠片が集まって形成されてしまった無垢な闇。それがギースです。それを寄りにも寄って(名前も付けてないのに)親ヅラするんですか?チャンチャラーおかしいぜ!」


最後のダジャレが相当気に入ったセンジマンは大笑いをしばらくし続けていた。


「なるほど一理あるご意見…しかし雰囲気と佇まいだけではなくその壊滅的なジョークセンスまで似ているとは…忌々しい。」


アルジはセンジマンに似た誰かの事を思い出して苛立っていたが、そんな事はお構いなしとばかりにセンジマンは笑い続けていた。


「ダメだ…ダメだ自分でツボにハマった…ダメだうける…ヒッヒッヒ…ふぅ。」


気が済むまで笑って少し笑い疲れた。


「お話中すみませんアルジ様…どうして現場に…?」


ブルーは恐る恐るアルジへ問う。ここでイーリス…いやアイリスと秘密裏に工作してきた準備が無駄になってはいけない。最大限の慎重さで臨まなければならないが、ブルーの任務中にアルジが直接現場に来ると言う異例中の異例への答えも知らねばならなかった。


「お前に与えていた任務以外の緊急性の高い事項を見つけた物でな。事情は戻ってから伝える。」


淡々とアルジはブルーに伝え、言い終わるとギースの方へ手に持っていた無色透明のクリスタルをかざした。


『欠片よ…器に戻れ』


~続く~


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また会おう良い子のみんな!

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