━前書いたお話とじわじわズレが生じてしまいそう…
20200111-01

センジマン!

そこは「○○版ではそういう設定だった」みたいに思っておく事にしますね。


第1話 第27話(前) 第29話(次)



※この物語の世界設定等はオンラインゲーム「Final Fantasy XIV」に準ずる部分が多く含まれます。ただ…ファンタジーな設定は余り出てこないかもしれませんのでご注意下さい。なるべく体験談や事実を元にして行こうと思いますが人物名称等は実在の物とは違う物もあり、時系列も前後したり完全にフィクションの部分も多々あります。


『ヒーロー戦記エオレンジャー』第28話「停滞~Suspend~その7」



説明しよう!『ヒーロー戦記エオレンジャー』とはオンラインゲームファイナルファンタジーXIVの中で良い子のみんなの笑顔を守る為に悪の存在「ギース」と戦う…光の戦士達の事である!

~主題歌「ヒーロー戦記エオレンジャー!」ナレーションより抜粋




センジマンは何かに気づきかけたが光の力の暴走に巻き込まれ意識が遠のいて行った。


『キドウかんりょう…メイレいヲ…めイれい…タイき…』


(これ…は…誰の…キオク…?)


ブルーの偏光の力の影響で強制的にセンジマンの超える力が発動してしまったのである。


・・・


『…るー…ィオ…起きて…』


優しい女性の声が聞こえる。誰かに呼びかけている様だ。呼ばれた方はベッドで横になり眠っていたが呼びかけに反応して少し眉をひそめてから、ゆっくりと目を開いた。


「ん…あ。あぁアイリス、起きたぞ。」


青い短髪のミコッテの男性は呼びかけた声に答え起き上がった。アイリスと呼ばれた女性は桃色の長髪に白衣を着た姿で微笑んだ。


「良かった…サスペンディオ…貴方が外で倒れたって聞いて心配してたの。良かった…。」


ブルーが潜入任務の後研究所に戻り調整を受けた後、このアイリスが側付き世話役として身の回りの世話を~表面上は~する事になっていた。しかしアイリスの本当の役目はまた別にあった。


「003の精神が不安定過ぎる。このままでは002の時の様に勝手に自我を生み出しかねない…お前が安定剤になるのだ。」


アルジから内密に受けた任であった。しかし彼女はいつしか…003のプログラミングされた人格の余りに人間臭い部分に惹かれて行ったのだ。


「首輪の調子はどう?こっそり危なそうな機能は排除して送信データもある程度改ざんして送る様に改造しておいたんだけど…違和感とかない?」


「あぁ…前と違ってすこぶる頭がハッキリしている。大変な事といえばアルジ…様の前で平坦なフリをする事位だな。」


ブルーはそう言うと無表情のまま頭の上の耳をパタパタさせておどけてみせた。


「ふふっ…もう何で表情変えないのよ…あははっ…。」


二人は笑い合って、窓の外の遠い空の青色を見つめた。いつしか約束した二人の自由な生活を夢見て。


・・・


どくん。センジマンの超える力が突如解除され意識が現実へと戻る。


「何だったんだ今の…!」


フラつきつつも立ち上がると目の前でブルーとギースが睨み合いを続けている所だった。間には…あの「別の嫌な感じ」を放つ偏属性クリスタルがあった。


「おいおっさん、やっと起きたか。っていってもオレもちょっとヤバかったけどな。」


ブルーがギースを睨んだままセンジマンに声をかけてきた。そして「こいつはアンタの専門なんだろ?さっさと倒してくれよ」とぶっきらぼうに続けた。


「あぁ…。ギースはおじさんが救うって決めたのだ。別のソレは…『アンタの専門』なのかな?」


センジマンはちょっとだけブルーの口調を真似て答え、膝に付いた砂埃をパンパンと払ってから改めてギースを見据えた。


「はー。よっこい…小隊、っと。」


センジマンはユーの気づきや超える力で見た記憶の事等…気になる事が過積載になってはいたが「とにかく現状を何とかしないとダメだ」と一旦それらを忘れる事にし、気分を一新する為に敢えて普段通りのテンションを保とうとしていた。


「おいおっさん。オレはブルーだ…ブルーの前には何もない、ただのブルーだ。覚えておけ!…ってすぐ忘れちまうか。」


「エオ…付けたのそんなに嫌だったのか…すまんやでブルー。」


センジマンは素直に謝ると、センジマンソーセージ(カルシウム入り)をブルーに差し出したが…


「せめて袋に入れておけ!!まんまポケットから出した食いもんとかいらねぇよ!!!!!」


とブルーに受け取りを断られしゅんとした。


「…そう、そうそう!その感じ!おじさんも調子が戻ってきたぞ!んじゃギースはおじさんが相手をしますのでブルーさんや、そっちのアレ頼みますよ?」


何故か虐げられてちょっと嬉しそうなセンジマンを尻目にブルーは偏闇属性クリスタルを奪う機会を伺っていた。センジマンが色々と把握できてない今がチャンスだとイーリスも通信越しに作戦変更に賛同した。


「オーケイ。んじゃオレはこのクリスタルを偏光で無効化しながら安全な場所に移して封印する。どうやらそのギースはこいつを食いてぇらしい…だから止めておいてくれよおっさん?」


ブルーはセンジマンの事を何度も「おっさん」と言ったが、センジマンは大笑いして「おっさん言い過ぎ!!」と何故か嬉しそうだった。


「では改めて…おいギースダメじゃないか!命に関わる様なイタズラをしちゃ!!多分このクリスタルの影響で力加減が出来てないんだろうが…それでもダメな物はダメだ。おじさんはおこなんだぞ。」


『マン…ンジマン…気を付けて…そのクリスタルには…の力が…』


とても久しぶりにリンさん~何か声でセンジマンたちを導く存在~の声が聞こえた。


(うお!リンさんじゃないっすかご無沙汰です!って何て?!)


リンさんはセンジマンにだけ話しかけているのでブルーには聞こえていない。ブルーが「早くそいつを遠ざけろ」とゴーグル越しに目配せしてくるがリンさんの話も気になるのでとりあえず頷くだけ頷いておいた。


『危険な力を感じます…そのクリスタルと…に気をつけて…』


(間近で色々ありましたんで十二分に分かってますよリンさん…超やべぇっすよこれ。でもそこにいるブルーさんって人がおじさんたちとはまた別の星の力で何とかしてくれそうですよ!)


センジマンはリンさんにそう告げてからギースに向かい手をかざした。


「いくぞ必殺…センジン…グー!!


かざした手を握るとエーテルが放出され大きなげんこつ状の手の形になりギースの上から頭へゴチン!とおしおきをした。


『痛いヨ…お父さん…痛い…ごめんごめん…でも…お腹空いたの…タベタイ…』


~続く~


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また会おう良い子のみんな!