━前回はちょっとだけ新しい試みに挑戦しました…
へんすべホワイト02

センジマン!

実際にFF14をやるに当たっての行動すべてに世界観を壊さない程度の理由付けをしたくて20話に色々詰め込んでみました。今後それが吉と出るのか凶と出るのか分かりませんが@@



第1話 第20話(前) 第22話(次)



※この物語の世界設定等はオンラインゲーム「Final Fantasy XIV」に準ずる部分が多く含まれます。ただ…ファンタジーな設定は余り出てこないかもしれませんのでご注意下さい。なるべく体験談や事実を元にして行こうと思いますが人物名称等は実在の物とは違う物もあり、時系列も前後したり完全にフィクションの部分も多々あります。


『ヒーロー戦記エオレンジャー』第21話「それぞれの白」



説明しよう!『ヒーロー戦記エオレンジャー』とはオンラインゲームファイナルファンタジーXIVの中で良い子のみんなの笑顔を守る為に悪の存在「ギース」と戦う…光の戦士達の事である!

~主題歌「ヒーロー戦記エオレンジャー!」ナレーションより抜粋




「エオレンジャー酒場へようこそいらっしゃいませ。バーテンのハヤト・ファルコンです。こちらの席へどうぞ。」


・・・


あれからエオレンジャー酒場にも仲間が増え、ファルコンも来られる日には必ず駆けつけてくれた。ユーもまた時折ふらっと店を手伝いに来てはふらっと消えていた。


ユーは置かれている状況や並行世界の事をみんなに話した際「エーテルアウト*と何か関係があるのかもしれない」と言っていた。


*エーテルアウトとは「体からエーテル体が切り離される様な状態」の事で、光の戦士たちにしばしば起きる謎の現象である。しかしこの症状は特に生命に関わる事も無く余り危険視されてもいないのであった。


「エーテルアウト…あれ終わった後に戻って来ると結構元気になってたりもするし不思議っちゃー不思議ですよね。」


イエローも知識欲の食指が動いてアゴに手を当てながら考えに耽りだした。こうなるとしばらく戻ってこない。


「世界から意識を切り離し…その間自分たちの意識はどこに…エーテル界…いやでもそれだと…超える力が…いやもしかして…んーー。」


イエローワールドにダイブしたまま戻ってこないイエローをマリンがにこやかに見つめていた。


「これしばらく戻ってこられないパターンだね。エレはこっちで座ってて。」


とことことイエローの肩を抱きかかえて椅子に座らせる。マリンはこれでイエローが考えに集中しすぎて壁にぶつかったりする事から守れたと満足気な表情だ。


「そういやマリンとイエローもたまにロドスト見ながら言ってたよね並行世界の事?」


センジマンが思い出した様に話し始めた。「あの時も光に包まれたのかい?」


「ううん?色んなお店の事知りたくてあちこち押してたらいっぱいお店の記事が出て来た!なんかチカチカした気も…する?」


イエローをチラリと見ながらマリンはそう言ったがイエローはシンキングオーシャンから戻ってこないので無反応だった。


「そうですか…。なんかこうハゲしい感情の動きとかそういう物によってワールドサーチの具現化の仕方も変わるんですかね?」


ファルコンがそう言ってからしばらく無言になり…


「今私『ハゲしい』って言いましたよ?!全員スルーですか?反応無しですか!無いのは毛だけで充分なんですが?!」


「あ、ごめんごめん考え事しててごめんまじごめんファルコン!」


センジマンは心底すまない事をしてしまったと思ったのであった。


・・・


「今日も起きたらこっちだったから手伝いにきたわよ、ちょっと修行もしてきたわ!」


ユーが外の光を浴びながら酒場の扉を開けて現れた。弓術の修行をして『詩人』の能力を開放したらしくその手にはハープを携えていた。


「しかしこっちの私…全然育ってないのよねぇ。記憶や意識は元の自分のままだから能力も一緒にしてくれたらいいのに。」


どうやらユーに起きているのは意識のみ並行世界を移動していると言う症状の様で、肉体的・時間軸的には「エオルゼアでの最初の記憶」に近い状態らしい。そしてどうやら…『こっちのユー』の記憶も混在している様で時折混乱する事もあるらしい。


「ほんとそれ不思議だよなぁ。オレっちにもそういう事起きたりするのかな?ちょっとやってみっか!」


ネイビーがそういって「うお…うおおおお!」と無駄に踏ん張っているのを尻目にユーはテキパキと開店準備を手伝い始めた。


「ユーにゃんって詩人だったんだすごい!何か弾いて弾いて!!」


マリンがぐいぐいとユーに顔を近づけてせがむ。


「ちょちょ近いって!元の世界では癒しの方が得意だったんだけどね…白魔法とか戦術医療とか。でも酒場だとこっちのほうが役に立つかなって。」


ユーはそう言いながらハープをポロンと弾き始めた。これはこれで心が癒される優しい音色だった。


「ファルコンさん…反応ないってこんな感じなんだな…同情するぜさっきの…」


カウンターの隅でネイビーがファルコンも労うと、ファルコンは苦笑い(意味深)した。


・・・


~いっぽうその頃どこかのどこか…


「ちょっと!そんな装備じゃダメだって言ったでしょもう。ほらこれ着て。あぁ襟が曲がってる!」


白衣に赤い髪をなびかせて女性が男性の襟元を直して胸をぱんぱん!と叩く。男性は決まりが悪そうに耳をパタ付かせながら「すまない、いつもありがとう」と苦笑いをした。


「しかし…本当に誰も私たちの事を知らない世界ってのがあったんだねぇ。どうしたのロン?スープ冷めちゃうから早く食べて仕事行ってきなよ!」


男の名はロン、ある出来事で心に傷を負った冒険者である。彼は自分が生まれ育った環境を捨て彼女と共に今ここにいる。


「あぁ…温まるなこれ。しかし本当にあったんだね『並行世界』って。キミが教えてくれて…一緒に来てくれて…本当に感謝してる。少しずつ色んな物を取り戻していくよ。」


キミと呼ばれた彼女の名はウォーカー~初代エオホワイト~、星の力に導かれ守りたい物を見つけ旅立った。ユーとはまた別の方法、元の世界の肉体ごと自分の意思で世界を渡り…今も彼を守り続けている。彼の心の傷が癒される…いや自分自身が癒されるその日まで…。


~続く~


第1話 第20話(前) 第22話(次)

また会おう良い子のみんな!