━14時間放送面白かったなぁ眠い…
20180706-01

センジマン!

前回からの続きですが平行世界の事はしばらく後に書きます!

あと第1章の時はすげぇ一気に書けたので毎朝投稿できていましたがそのペースに戻せるのかは不明です@@

第1話 第14話(前) 第16話(次)



※この物語の世界設定等はオンラインゲーム「Final Fantasy XIV」に準ずる部分が多く含まれます。ただ…ファンタジーな設定は余り出てこないかもしれませんのでご注意下さい。なるべく体験談や事実を元にして行こうと思いますが人物名称等は実在の物とは違う物もあり、時系列も前後したり完全にフィクションの部分も多々あります。


『ヒーロー戦記エオレンジャー』第15話「連鎖」



説明しよう!『ヒーロー戦記エオレンジャー』とはオンラインゲームファイナルファンタジーXIVの中で良い子のみんなの笑顔を守る為に悪の存在「ギース」と戦う…光の戦士達の事である!

~主題歌「ヒーロー戦記エオレンジャー!」ナレーションより抜粋




~~前回のあらすじを説明しよう!センジマンはホワイトに急かされてギースの欠片を浄化したのであった!


・・・


「ふぅ…。これでよし、と。」


センジマンはギースの欠片を浄化するとゆっくりと首や肩を回し腕をぐーっと伸ばしながら変身を解除した。そしてホワイトの方に向き直り首を少しかしげて「帰るぞ」と促した。


「これで…ロンの苦しみも無くなるのね。良かった。」


ホワイトはホッとした表情でセンジマンに頷くとエオレンジャー酒場に戻るのであった。


・・・


~数日後



「センさん!ちゃんと浄化したんだよね?!ねぇ!!ねぇってば!」


酒場の片隅でホワイトが~最早恒例行事の様に~センジマンに詰め寄っていた。襟をむんずと掴まれてぶんぶん前後に揺れるセンジマン。


「うぉかっぺの声がドップラー効果で聞こえるの笑う!しかしそろそろ…気持ち悪くなってきたぞ…。落ち着くのだ…うぇっぷ。」


他のメンバーは仕込みの仕入れや他の通常任務で出払っていて今はホワイトとセンジマンの二人だけだった。掴んだ襟首がやっと開放されセンジマンは息を荒げたホワイトに朦朧としながらも事情を聞いた。


~浄化後にホワイトがロンの元を訪ねたが状況は好転していなかったのである。当の本人の心境は落ち着いて居る様だが…。


「あの記事を読んだ人が未だにロンの事を攻めたりしてるんだよ…。確かにちょっと相手の事情も分からず自分勝手な書き方ではあったかもしれないけど…その記事はもう消してちゃんと自分にも悪い所があったって反省の気持ちを書いたのに…!追い打ちみたいに罵倒する人がいるなんて…ギースを浄化すればみんな丸く収まるんじゃないの?!」


涙ながらに訴えるホワイトにセンジマンも同情している。しかし確かにロンへのギースの影響は消えたのだ。だがそれは「あの欠片」の影響が消えたに過ぎないのだと言う事はセンジマンには分かっていた…そこから沸き起こる「負の感情の連鎖」はギースが発端となっているが詰まる所各自が許したり忘れたり納得出来たりしなければそう簡単に消え去る事はない…。センジマンが他のエオレンジャーの仲間に未だに肝心な部分を任せない理由もそこにあった。


「そうだな…。あの欠片の影響は消えたのは確かだ、相手への影響も収まっている事はおじさんが保証する。しかし、その話題に触れた直接関係のないみんなに湧く感情はまた別の物なんだ…即座に彼やその事柄を許せる環境にそれぞれがあったのかどうか…そしてその全てがギースの影響かどうかを確認するのは物理的にとても時間がかかってしまうのだ。」


ホワイトはそれでも誰かに怒りをぶつけないと気がすまないと言う表情でセンジマンを睨んでいる。


「すごく良くわかるぞうぉかっぺ。だから『おじさんだけ』で浄化をしてるんだ。いつかギースの事に気づく人が増えた時に…浄化しても完全には消え去らない負の感情の事を知った時に…おじさん『だけ』を恨めるならそれでその人が他の仲間や誰かを攻撃する気持ちを持たなくて済むだろう?」


センジマンは優しくホワイトに語りかけた。今その胸にある怒りも自分に向ければいい、と。


「何よそれ…!そんな事急に言われても…」


ホワイトはそこで言葉を止め何かに気づいた表情になった。


「あぁ…私も同じなのね。自分が出来なかった事、出来ない事を誰かのせいにしたくて…。その苛立ちを誤魔化したくて…他者に向ける。この気持が集団心理の中で…ギースの影響下じゃなくても大きくなっちゃう…。」


悲しい目をしたままホワイトがセンジマンを見つめて立ち尽くしていた。


「じゃぁ、じゃぁセンさんは…みんなを守って…それで結局みんなから嫌われちゃうじゃない…。」


センジマンは少し眉毛を動かしたがいつもの調子で答えた。


「まぁそんな事になったらその時に考える。案外すげー好かれちゃうかもしれないぞ?!」


ひとしきり大笑いしてからセンジマンは椅子にどかっと座り直し、ステージを見やった。


「おじさんも嫌われるのはちょっと怖いからな。だからこっそりやっているって言うのが正しいのかもしれない。見える所では良い子のみんな!とか言いながらヒーローぶってるのも「その時」に少しでも嫌われないようにする為の自己防衛かもしれないな。」


ホワイトへ向き直りセンジマンは続けた。


「おじさんは何だ…良い子の『みんな』を守りたいけど何もエオレンジャーのみんなに同じ目的を強要するつもりもない。ホワイトはホワイトの守りたい物があるはずだしやりたい事もあるだろう?それはそれでとても大事な物だと思うから。まぁおじさんはそれも全部引っくるめてアレしようと思ってる。上手く言えないけど何か、そんな感じだ!」


センジマンはそう言うとポケットからセンジマンソーセージ(カルシウム入り)を取り出してホワイトに渡した。


「…ありがと。ってか全然私の中で釈然としない事ばっかりだけど…色々整理したいから考える。いっぱい考えて…今度は流されずに決めようと思う。センさんとこの事務をやる事になったのも…エオレンジャーになったのも思い返せば全部「流されるまま」だった気がするから。」


ホワイトは貰ったソーセージをセンジマンの机の上の皿の上に置いて自室に戻っていった。




「…食えよ!!!!」




センジマンは心の中で泣いた。大笑いしながら。



~続く~


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また会おう良い子のみんな!