━前回でいろいろ広げすぎた気も…
20191205-01

センジマン!

ちなみにこのお話は終わりを考えておりませんので下手したら100話超えとかする可能性も結構あります。

んじゃ今日も書いてみますね!


第1話 第8話(前) 第10話(次)



※この物語の世界設定等はオンラインゲーム「Final Fantasy XIV」に準ずる部分が多く含まれます。ただ…ファンタジーな設定は余り出てこないかもしれませんのでご注意下さい。なるべく体験談や事実を元にして行こうと思いますが人物名称等は実在の物とは違う物もあり、時系列も前後したり完全にフィクションの部分も多々あります。


『ヒーロー戦記エオレンジャー』第9話「衝突」




リンさんの話はまだ終わってない様だったがセンジマンの気持ちが晴れたせいで力の発動とリンさんとのリンクが解かれていった。


『ちょっと…話はまだ終わってませ…ちょっと待って…ちょっと流石にそれはやりすぎなんじゃないの?』


・・・


センジマンがその口論を聞いてがばっとベッドから飛び起きたのは3日後の事であった。


「いきなりこんな物見せて急に色々言われてもさ!順序ってあるんじゃない!」


ホワイトがいつになく大声で叫んでいた。


「な…何?!どした?!ておはよう!で何?!」


起き抜けだが幸い意識はしっかりとしてたので口論の相手がココである事はすぐに分かった。


「ちょっと落ち着いてみようね。んですまないんだけどおじさんに状況を教えてくれたらありがたいな。」


人と人が「やりたいこと」を共有する際にはいくらか意見が衝突する事はある。LSで色んな話をする中でもそれはよくある事で双方の話を聞けばある程度は解決の道は探れる。が…今回は少し様子が違う。


「センさん…病み上がりの所悪いんだけど…。やってられないよ私!」ホワイトはいつになく真剣な面持ちでそう言った。


~~こういう時こそ『超える力』が発動すればお互いを刺激せずに状況が分かるんだけどなぁ…さっき戻ってきたばっかりだからそうそう連続で発動もしないか…。さっきの決意を無にしない為にも気合い入れて聞かないとな。


「結論早すぎるから!ほい深呼吸だ!息を2回短く吐いて~から吸う~…」


いつもならホワイトがすぐさま「それ違うから!ラマーズ何とかだから!」とか冷めたツッコミが入るのだがそれも無い…ココは申し訳なさそうにその場に立ち尽くしていた。


「私、言い過ぎたんです。うぉかさんがお店の内装を考えてくれてたから…役に立ちたくってアイデアを出してたんですけど…うまく言えなくてその…うぉかさんの図面に勝手に色々書いちゃって…楽しくなっちゃって前もって言わずに色々しちゃって…すみません」


俯きながら謝るココにエレシュも心配そうな表情を浮かべているが言葉が出てこない…ホワイトの方を見つめて固まってしまっている。


「えっと…まだ状況飲み込みきれてないけど。ホワイトにとってはそこまで怒る事…なんだな?」


「うん。良かれと思ってくれたんだろうけどさ…勝手だよ…。」


ホワイトの目の前にある机に図面が置かれ、丁寧に書かれた『エオレンジャー酒場』の見取り図が書かれていた。そこにココがアイデアを伝えようとマルや三角や矢印で案を書き入れた様だ。


センジマンにはそのアイデアに…光る物を感じていた。ステージには聞いた事のない内装家具を使った斬新な演出や飲み物がボタン操作で出てくる機械…ステージ以外のスペースにも来た人が楽しめるちょっとした遊具などのアイデアが書き込まれていた。


「これを…許可なく書いちゃったんだ…?」センジマンがそう聞くとココは無言で頷いた。


「アイデアが良いとか悪いとかじゃないよ…書くなら別で書いてくればいいじゃない…私が何日かけてこれを書いたか…ッ」


ホワイトがそう言うのをエレシュが本当に怖い物を見る目で見つめたまま動かなくなっていた。


「あ…あぁ…」少し声をあげてからエレシュはすぐ後ろに合った椅子にバタっと座り込んだ。まるで麻痺攻撃を受けた様に表情を固めて。


「おい!えれしゅん大丈夫か?!二人共ちょっとそのまま…一時休戦な!」


・・・


~~あれ…ココちゃんは?うぉかさん…あんなに怒ったの初めて見たけど大丈夫かな…。


『ねぇ…キミ…目が良いんだね…ピンピン耳ちゃん…』


ホワイトの背後からエレシュにだけ聞こえる『声』で呼びかける声がした…ギースだ。


「誰?!…なんで声…体…動かな…ぐッ?!」


エレシュはあの時~ネイビーと初めて出会った時~と同じ…いやそれ以上の「イヤな感覚」を感じていた。


~~やばい…これあの時の感じだ!…センジマンやみんなに伝えなきゃ…うぉかさんがあの嫌な感じに取り込まれそうになってるって…声…出て…出ない…!?


固まったままエレシュはただギースの気配をみつめる事しか出来なかった。せめて視線に…この視線に誰かが「異変」を感じてくれたら…そう思ってエレシュは必死に見つめ続けた。


『だめだヨ…ボクのお父さんなんだから…ボクだけが仲良しなんだ…ワカルヨね?』


ギースはそう言うと「イヤな感じ」を切り離しエレシュの方にふわっと飛ばしてきた。


~~な…お父さんって…でぃんさんはそういうのじゃなくて…ダメだ乗っ取られる!!


エレシュの意識が、途切れた。


・・・


「エレ…?大丈夫?私がこんな事したから…ごめん。」ココは心底心配そうにエレシュを見つめていた。


するとエレシュが何事も無かったようにスっと立ち上がった。


「ココちゃん。もう出よう。私たちは私達で居場所を探さなきゃ。行こう。」とココの手を引いてハウスから出ようとした。


「え?!でも…ちゃんと謝れてない…。痛い!そんな強く掴まないで!」ココはエレシュの手の力が強すぎて痛がっているが構わずエレシュは出ていこうとする。


ドアを開けようとした直前「バタン!」とドアの方が勝手に開いた!?


「高地ドラヴァニアですげーいい酒があるって言うからちょっと手に入れてきたぞセンさん!これを飲めばもうバッチリ目が覚め…ってごめんえれしゅん!!」


ネイビーがセンジマンの為に気付け薬代わりの北方の酒を買って帰ってきたのである。


「う…うぅ…目が…目がァ…」エレシュは目を押さえた状態で入り口でのたうち回っている。思い切りドアが顔面に当たってしまった様だ。


「めんご!めんごだよ!!大丈夫かいエレシュ…痛ってぇ!静電気?!」


ネイビーがエレシュに触れた途端バチッ!と電気に似た感触が走り、咄嗟にネイビーは手を引いた。


「てかこの状況…うぉかっぺの顔が敵撃ち漏らした時のオレっちを見る時の顔…怒ってる!何かあったんスか!?」


ネイビーがセンジマンの方に向き直りそう訪ねたが、センジマンの周りには~もうだれが見ても分かる程に~黒いモヤがかかっていた。


・・・


「…センさん?!どうしたの?何か訳ありヒーローだと思っちゃいたけどこれ最早悪役の様相よ?!」


いつの間にかホワイトに取り憑いて居たギースもエレシュを乗っ取ったギースの欠片も…全てがセンジマンの周りに集まり彼を覆っていた。


「あぁ…間に合わなかった…!!うぉかさんに変な黒いのが取り憑いててそれをみんなに伝えようとしたら私…動けなくなって…!」


「え?んじゃさっきのはうぉかさんの本当の気持ちじゃなくて…本当に?」ココは申し訳なさそうにしていたが一番悲しかったのはホワイトから嫌われてしまったのではないか、と言う所だったので確認したかった。


「え…あぁ…。言われてみれば私なんであんなに怒っちゃったんだ…この黒いモヤモヤのせいだったのか…ココちゃんごめんね、大丈夫だよ!怒ってないから。」そう言いながらホワイトはココの髪をわしゃわしゃと撫でつつ…「しかしこのセンさんヤバいねぇ…。」とエコレコの二人を自分の後ろにしてセンジマンと向き合った。


~続く~

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また会おう良い子のみんな!