━すみません5人がどうしてもカフェに行きたいって言い出しまして…
20190709-01

センジマンだっ!

例によって締切も1話ごとの分量も自由気ままなので…書きながら勝手に登場人物が行き先や話の流れを変えてしまう感じで長くなっております。

でもこういうときが書いてて一番楽しかったりもするので今は目一杯楽しんでおこうと思います。

ある冒険者のお話⑦~ヒーロー戦記エオレンジャー外伝~

・・・

5人は気分転換を兼ねてさっそくエオレンジャーカフェに向かう事にした。

ツーリア「お、今回は一番乗りっぽいぞ!まだ誰も居ねぇ!ここはヤマトさんが手がけてるからなぁ…やべぇんだろうなぁ…ソワソワ」

エーテル通信網で入手した近隣の「ヤマトMAP」を見ながらツーリアは興奮していた。どうやら近くに何軒か他にも手がけているハウスがあるらしい。

レンド「鼻息が荒い!でも…人の事言ってられないよここは!!ってセンジマンだ!?ファー!!」

庭先にはセンジマン~専属のリテイナーがセンジマンそっくりに扮装しているだけなのだが~が5人を出迎えてくれていた。

レンド「…いやいや!ボクの目は騙されませんよ!!ちょっと背が高すぎる!!」

シンシア「あ!これエオライナーだよね!メイプルちゃんが庭のエオライナー組み立てたんだって!!」

ツーリア「本体はヤマトさんが中にまたすっごいの作ってるんだぜ!改装後どうなってるんだろうなぁ…ワクワク」

庭にはエオライナー・トレインモードがあり、それはエオロースが組み立てたのだ。プロテスさまも興味津々で庭の中を飛び回っていた。

プロテスさま「これは私に似た空間エーテルを帯びていますね…えおらいなぁ?普通の冒険者がこんなモノ…どうやって?!」

ピエール「何だっけな…確かこのほれ訓練用の木人を使って…戦いの時に発生するエーテルをエオライナーが吸収して…そのエネルギーでエオライナーは並行世界を旅出来るって書いてあったぞ。確かに肉体を持たない存在が現世に顕現するために器を使うって意味じゃプロテスさまに近いか…すげぇな」

エオライナー「ふわぁ…ん?あぁ見学のお客様でしたか。おっほん…本日も~エオレンジャーカフェ前にご乗車頂き~誠に~ありがと~ぅございまぁす。本日は休業日ですが~ごゆっく~り、中もご覧になって~くださぁい」

5人「「「「「列車が…シャベッタアアァァァァァ!!?」」」」」

・・・

エオライナー「なんだ、初見未予習の方でしたか。久しぶりの反応でエオレンジャーと初めて会った時の事を思い出せましたよ。何だかありがとうござ…いまぁす」

なぜか語尾が妙になる口調でエオライナーは5人を歓迎した。

レンド「あぁすごい…本当に意思があるんだ…うわぁ…あの話…本当だったんだ…」

目をキラ付かせてレンドは喜んでいるが…ツーリアは気づいてしまった。

ツーリア「いや…ちょっと待て今『休業日ですが』って言わなかった?!!ビラの日付?!そういや見ずに来たわ!!!」

ピエール「マジか…ビラに書いてある日付…っと。」

まじまじと見返すピエールの横からビラを覗き見るシンシアがハッとした表情になった。

シンシア「これ…昨日。」

・・・

仕方がないので取り敢えず中も見学することにした一行。エオライナーもわからないことは教えてくれるらしい。

プロテスさま「お邪魔します!ここに来るのは初めてです。」

入り口を開けると暗がりの中に光る文字が…どうやらドマ地方の文字らしい。いやそれよりも…

レンド「エオレンジャーがいるー!!わー!!」

またもや精巧に作られたエオレンジャー達のマネキン人形に驚かされるレンドであった。

ツーリア「やべぇよ…初手でこんなん…オレっち出てくるまで気を失わずにいられるか心配だぞ」

ピエール「おいシンシアあの本出してくれ…えっと…ドマ文字の辞書…ふむふむ…セ…ン…ヅ?何か豆のことか…んー?」

レンド「違うよジ!セン『ジ』だよ!!センジマンの『ジ』だよお父さん!!」

お父さんが何の事だかさっぱり分からないが皆それぞれ楽しそうである。

エオライナー「見学の方はぁ~2階にお進みくださぁ~い」

ロビーから右に曲がるとほど無くてして通路は行き止まりだった。ふとそこに交流帳とメモ書きが。

・・・

**ランプのある所でエオジャンプしてお進み下さい**

書いてあるとおりにしてみると…なんと2階フロアにワープした!!

???「次は…『バレットイン!』…ここで内丹の動きを利用して…いや何か違うなぁ…アームスレングス…だと手の動きが噛み合わないなぁ…んー。」

レンド「うわーセンジマンだー!!!」

大声を出してしまったレンドに、センジマンはちょっとだけ驚いたが優しく声をかけてくれた。

センジマン「おや、良い子のみんな?見学ですか。今丁度変身の手直しをしてましたが、気にせずごゆっくりどうぞw」

そういうとセンジマンは5人を見て何かに気づいた表情になった。

センジマン「おや…?そこのお嬢さん…の妖精さんは…もしかして?ほっほーなるほどなるほど」

さもわかっている感じをセンジマンは出しているが何もわかっていない事をまだ誰もわかっていないのであった。

プロテスさま「あなたがこのハウスのオーナーさんですか?庭のエオライナーさんとこちらのステージのエオライナーさんの事が気になりまして!もしかしたら私と同じ様な存在では…?あ!ご挨拶が遅れました私プロテスって言います護りの女神です!」

シンシア「ちょっと!急に全情報出しちゃうなんて…この前はあんまり人目につくと良くないって…」

ツーリア「プロテスさま。この人はエオレンジャーのマスターではあるけどハウスを作ったのはピンクのヤマトさんだ。でもこの人に聞けば大体の事は分かりそうではあるが…休みの日にあんまり…な?」

ピエール「そうだなぁ。俺たち前回酒場を初めて見て…何かよくわかんねぇけど勇気がもらえて。そんで自分たちにしか出来ない『出来る事』を探して…見つかりそうな所で難関が…そんですげぇどうしようかって…」

センジマンはニッコリを微笑みポケットの中からピエールと良い子のみんなにセンジマンソーセージ(カルシウム入)を取り出して渡した。

センジマン「なるほど、丁度キリもいいからおじさんも休憩にしますね。せっかくだから何でも聞いて下さい!知ってることだけですがお答えしますよw」

ステージにどかっと無造作に座り、センジマンは満面の笑み…を浮かべているように見えたがマスクオン状態であった。

・・・

センジマン「なるほど…何だかエオライナーに初めて会った時の事思い出すなぁ。しかしそちらは護りの女神に出会ってしまうなんてすごいですねぇ。」

シンシア「はい…どうしてもプロテスさまの事またみんなに好きになってもらいたくって。出来ることを探しています。」

ちなみにレンドは大声を出したっきり反応がない。気絶したのだ。

センジマン「一度発生してしまったマイナシングオーラをプラシングオーラに戻すのはなかなか難しいですからね。おじさん達もみんなに笑顔で居てもらえたらって想いでショーとかやってますが今でも苦労してますし。」

謎の単語で若干会話が成立しているのか悩ましいがきっと伝わっている。

ツーリア「おいレンド起きろ!センジマンの事一番好きなんだろ!あ、こいつすっげーファンになったって言ってるから握手してやってくれませんか?」

センジマンはレンドと固くエオシェイクハンドした。

レンド「…ぬひょ!!あぁ…あぁぁあああああ!」

センジマン「大丈夫、エオルゼア語でも何語でもおじさんには伝わっているから!!」

多分伝わっていないがレンドは目を丸くして喜んだ!

ピエール「あの…よ。営業日と勘違いして今日来ちまったんだけども。良かったら何かアイデア…いやヒントだけでもくれないか。エオレンジャーみたいにはいかねぇかもしれないけど何かこの世界の役に立ちたいんだ!」

ピエール達の熱意は本物だった。センジマンがそれに気付かないわけがない。

センジマン「良いですねぇその最終的には自分たちでやるっていう…そう…そう…全部教えてくれって感じじゃない…そう…その感じ!!ヒーローの素質アリですね。」

ビシっと親指を立ててセンジマンは言った。

ガチャ…

???「買い出し終わりましたー!ってあれこの感じは…見学の方が来ておられる?!あわわわ…」

???「えれしゅんどうしたっぺ。泡の出る石鹸はまだあるっぺ」

昨夜の営業後に減った備品等の買い出しに出ていたイエローとロースが戻ってきたのである。

・・・

ロース「ふーん。シンシアちゃんは何となく覚えてるっぺ!酒場で撮影しても良いよって言ったら固まってたっぺ!プロテスちゃんは…はじめましてだっぺな?エオライナーみたいなもんだっぺか?」

イエロー「ぷぷぷうぷぷぷぷぷうぷぷぷぷプロテスさま…って?!!!もしかして守りの力を司るハイデリンの様な星の意思の現れのあの存在が…めめめめめめ眼の前に…いやでもそんなはずはアレは超える力を持ってしてもあの空間自体エーテル界より深くて認識はできても向こうからの干渉がないとこちからから見たり…ましてや話をするとかいいいいい一緒に旅をするなんて…」

レンド「出た!イエローの情報過多で超絶早口だけど何故か置かれている状況が結構変わる分かっているあの感じ!!」

ピエール「すげぇな…天才か」

ツーリア「なぁ…マリンちゃん。今日はいないのか///」

そんなやり取りの中、ドレスの裾を軽く叩いてからプロテスさまはぽつりと言った。

プロテスさま「エオレンジャーさんはみなさんお持ちなのですね『超える力』を。それでエオライナーさんをあの様に保たれていたんですね。」

エオライナーのお話がどういったものであったのか、その辺をイエローとロースそしてセンジマンが改めて説明した。

『お前は決して蛮神なんかじゃない』

その言葉は5人にも当てはまる。プロテスさまはもう仲間なのだから。

・・・

センジマン「あ、そうだ。おじさんたちはもう使わなくなったヒーローアイテムがあってね。もし良ければ使ってくれませんか?何かの役に立つかもしれないから。」

レンド「これは…AWSSのver1.01!!?」

説明しよう!AWSSとはエーテリングワールド…えっと…なんとかサーチシステムの事でありセンジマンが初めて平行世界を渡った時にエオレンジェルが作り出したヒーローアイテムである!

ツーリア「こんな大切なモノ…いいんですかい?!…てかマリンちゃんが作ったのか…おぉ」

ロース「イエローとマリンでエオレンジェルだっぺ!もう使わないって事は必要な人の手に渡るのがいいっぺな。壊れてるけど!」

5人「「「「「壊れとるんかーい!!」」」」」

イエロー「あ、いやいやいやいや。壊れてると言うかセンジマンが持っていたAWSSだけ使い方が独特な感じになってしまって…」

説明によるとこういう事である。

イエロー「センジマンは…平行世界に行き過ぎてAWSS自体の存在が何というか複雑、多岐になってしまって…。それでそのAWSSは複数人のエーテルじゃないと反応しなくなっちゃったんです。」

ロース「そうそう、センズマンどこでも行きすぎたっぺ。この前まで平行世界に行き過ぎて世界を破滅させかけてたっぺうけるっぺ!」

やれやれと言ったジェスチャーをしてセンジマンは続けた。

センジマン「そう、丁度4人位でなら扱える感じになっちゃってて。エーテルで平行世界の自分にアクセスする為にそれをサーチする仕組みなんだけど…それを使えばもしかしたらプロテスさまの力を『見える形』で示せるかもしれませんね。」

プロテスさま「なるほど…瞬間的な利用であれば平行世界の私にアクセスしてもそこまで世界間への影響は…1日に1回いや…もう少し間を空けた方が…」

イエロー「さすがですプロテスさま…この短時間でそこまで理解をなさる…はぁ…尊い。」

どこかの誰かの言い回しを彷彿とさせる。イエローはかの魔女を尊敬しているから無理もない。

センジマン「プロテスさまの言う通りで、そう言った『でかい力』はあんまり多様しないほうが良いです。おじさんはそれで存在自体が消えかけた事がありまして」

そういうとセンジマンは大笑いした。他の面々は笑えないが。

・・・

ピエール「すげぇなそれを笑い飛ばせるって!…なんかすげぇやる気出て…きました!お前ら、帰ってこのAWSSを使って特訓だ!!ありがとうエオレンジャー!」

ツーリア「帰る前にドールハウスを…ひと目だけでいいから!!(マリンちゃんにも会いたかったなぁ)」

レンド「あぁ!いちまいきねんしゃしんとってもいいですかせんじまん!」

シンシア「もうレンドったらここに来るとまるで子供みたい!それが済んだら戻りますよー」

プロテスさま「あの…もしかしてあなた方が…あの光の戦士?」

センジマン「へ?今なんて?」

センジマンは急にマスクの蓋を開けて聞き返した。

ロース「それ私のネタだっぺ!パクルなっぺす!」

ピエールたちはそれぞれの用事を済ませつつ我が家のあるラベンダーベッドに戻るのであった。

~続く

第8話

第1話

また会おう良い子のみんな!